肺塞栓症

肺塞栓症、兆候を見逃さない

読売新聞 医療ルネッサンス No4610  医療事故を防ぐ3/5
p2008年11月の夜、静岡県浜松市の県西部浜松医療センター。脳梗塞の治療で入院していた70代の女性が看護師に解除され、トイレから戻った直後。「胸が苦しい」。突然真っ青になり、意識を失った。
「血栓(血の塊)が肺の血管をふさぐ肺塞栓症の兆候では」。
ピンと来た看護師が直ちに、体内の酸素が十分かどうかを測る小型装置(パルスオキシメーター)を女性の指先に着けると、正常なら90%台半ば以上になるはずの酸素飽和度は80%を切っていた。体に十分な酸素が行き渡っておらず、放っておくと危険な状態だ。
駆けつけた医師が、血の塊を溶かす薬の点滴を始めるまで10分。迅速な処置のかいあって女性は意識を取り戻し、肺塞栓症は未然に防ぐことができた。肺塞栓症診療のポイント
手術後の患者などが長時間ベッドの上で動かないでいると、血液の流れが悪くなり、足の静脈に血栓ができやすい。これが肺に運ばれると肺塞栓症を引き起こす。
年間発生者は推計8000人で死亡率は20%前後と、突然死の原因にもなる。長時間同じ姿勢を強いられる飛行機の乗客に起きやすいことから、エコノミークラス症候群とも呼ばれる。

昨年4月に同センター院長に就いた小林隆夫さん(産婦人科医)は、信州大学教授だった04年、肺塞栓症の予防指針作りに携わった。徐々に普及しつつあるとはいえ、「病院により対応がまちまち。予防策が全体に普及していない病院も多い」と嘆く。静脈血栓塞栓症の予防
実は同センターでも、小林さんが赴任する前の91~08年の肺塞栓症の死亡率は40%と高かった。そこで、08年度から、各診療科の医師や看護婦らでプロ弱とチーム(PT)を作り、症状などの啓発に努めるとともに、院内で統一した対応マニュアルを策定した。

症状や年齢などの要素から、患者を4段階の危険度に分類。危険度が低ければ、手術後の早い時期から歩行訓練などで体を動かす。危険度が高い患者なら、ベッドに横になったまま足にマッサージ器を使ったり、予防用弾力ストッキングを着用したりするほか、血液を固まりにくくする薬を予防的に使うこともある。
兆候を早めにとらえて未然に防ぐことで、この一年余り、発症はゼロに抑えられている。PTリーダーの麻酔科医、木倉睦人さんは「組織的な取り組みがあるかないかで、安全性に大きな差が出ることを実感した」と話す。

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